
デジタルマーケティング(Digital marketing)とは何か?昨今、日常のように耳にするようになりましたが、明確にこれだと言える方はまだそう多くないのではないでしょうか。
実際、マーケティングの世界において、デジタルチャネルとリアルチャネルを明確に区分することは難しいかと思います。なぜなら、マーケティングにおいて、デジタルだけで完結する施策、リアルだけで完結する施策は、今この時代において少ないからです。
以上の理由から、ここではデジタルマーケティングの定義として、「企業のマーケティング活動のうち、明らかにリアルのみで完結するもの以外全て」と捉えることにします。
〜デジタルマーケティングの全体像とは〜

ではここから、デジタルマーケティングの全体像とはどのようなものかについてみていきましょう。
デジタルマーケティングを推進していく為のプロセスは大きく4つに分類できます。
①事業理解・戦略立案フェーズ②課題整理・構造化フェーズ③マーケティング施策立案フェーズ④実装フェーズの4つです。
①事業理解・戦略立案フェーズ
ここでは、まず自社の事業の顧客は誰で、どんな価値を提供して成り立っているのか、競合優位性はどのような点なのかなど、自社の事業を取り巻く、事業構造を正しく理解することから始まります。またその上で、今後の経済の動きやテクノロジーの進化、競合動向などを総合的に考慮して、戦略立案(KGI・KPIの設定なども含む)を行なっていくプロセスを示しています。
②課題整理・構造化フェーズ
ここでは、まずより具体的に顧客を分析し、想定していきます。従来のマーケティングの手法では、よりアナログ的にペルソナ設定をアンケート調査やインタビュー調査などを通して行なっていましたが、昨今のデジタルマーケティングにおいては、ペルソナ設定と同時に、顧客のWeb上での行動や、基本属性、外部データの活用などを通して、リアル・デジタルの情報を総合的に分析し、顧客の実態を理解していきます。また、より深く理解した顧客像を起点に、カスタマージャーニーなどを作成しながら、課題を構造的に捉え、整理・特定し、次の施策へとうつっていきます。
③マーケティング施策立案フェーズ
ここでは、上記で深く理解した顧客像を元に、マーケティング施策について考えていきます。最も重要なことは、「顧客像に対して、1.どんなメッセージを、2.どんなクリエイティブで、3.どのチャネルを活用して、4.コミュニケーションを行なっていくか」です。
以下で1~4の詳細について見ていきましょう。
1.メッセージについては、顧客の課題を解決する内容になっているのか、また競合と比較して優位な内容になっているのかなど、バリュープロポジションを考慮した上での内容になっているかがポイントになります。
2.クリエイティブについては、一概にこれが正解というものはなく、チャネルやツールに応じて最適化したクリエイティブにすること、またA/Bテストなどを繰り返し行いPDCAを回すことにより、より顧客に訴求できるクリエイティブに改善していくことが求められます。またこのようなことが可能になった背景としては、デジタルテクノロジーの進化に伴い、リアルタイムに顧客の反応がデータとしてトラッキングできるようになった為、このような改善が実現できています。
3.チャネルについては、顧客にメッセージを届ける為に最適な手段は何かについて考えることから始まります。具体的には、カスタマージャーニーマップを作成し、顧客の購買(行動)プロセスなどを見える化していきます。またその上で、リアル(オンライン)・デジタル(オフライン)などの区分で、チャネルを分け、具体的な顧客の導線設計を行なっていきます。また、チャネルの運用後の評価としては、マーケティングROIに基づき、より効果の高い施策に予算を投下していく傾向があり、こちらも継続的な改善が必要となります。
4.コミュニケーションについては、1~3で定めた物を実際に顧客に対して、どうコミュニケーションをとっていくかのプロセスになります。この際、顧客にどうなってもらいたいかなど、目的によって選択するコミュニケーション方法が異なってきます。例えば、新規顧客に対して、認知や理解を促進したい場合は、一般的に広告というアプローチを取ることになります。但し、広告と言っても画一的なものではなく、まずオンラインなのか、オフラインなのか、さらにオンラインの中でも、リスティングなのか、SNSなのかなど、細かく見ていくとかなり細分化されていきます。この際に重要になるものが、3.で作成したカスタマージャーニーマップになります。自社が想定する顧客はどのようなプロセスで行動をとり、購買まで至るのか。こういうプロセスで購買まで至る為、この広告を、このタイミング使用してアプローチをすべきではないかと建設的に考えていくことが重要になります。次に、既存顧客に対して、エンゲージメントをあげていきたい場合は、メールやSNSページの運用、ホームページ(HP)上のコンテンツページの充実、アプリプッシュなどを主な施策として、継続的に顧客とのリレーションを構築していきます。このようにコミュニケーションと言っても、何を目的とするかで、取るべきアクションが異なりますので、まずは目的を明確にするということからはじめてみることをおすすめします。

④実装フェーズ
最後に④実装フェーズについてです。ここでは①〜③で企画してきた内容を、実装し、具体的に実行していくプロセスです。内容としては、顧客情報のデータ統合(基本情報やWeb行動履歴、外部データなど)や、クリエイティブの制作、広告出稿画面の作成、広告運用、MA(マーケティング・オートメーション)との連携、効果検証フレームの作成および、ROIの検証・最適化、組織体制の構築などが挙げられます。①〜③で企画した内容をより効果的にする為には、この実装フェーズでの徹底度や、最適な方法でPDCAを回していく工夫などが必須要件となります。
最後に・・
本日は、デジタルマーケティングの全体像について発信させて頂きました。期待する効果をより高い確率で実現する為に、詳細まで落とし込んで、愚直に行なってみてはいかがでしょうか。
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