昨今、注目されているMA(マーケティングオートメーション)ですが、一体どういうものなのでしょうか。MA(マーケティングオートメーション)という言葉は聞いたことがあるが、実際のところよくわからないといった方も多いのではないでしょうか。

今回は、そういった方でもわかりやすく理解して頂けるように、MA(マーケティングオートメーション)が求められるようになった背景から、具体的にどういう機能を備えており、またそれらが、どのようなことを実現できるのか役割の部分にも触れながら、基本的なところをみていこうと思います。

〜MA(マーケティングオートメーション)とは〜

MA(マーケティングオートメーション)とは、一言で表すと、デジタルやリアルのチャネルから獲得した見込み客を、Webコンテンツなどのナーチャリング施策を通して育成し、スコアリングを通して評価・選別し、質の高いリストを営業担当に送る一連のプロセスをオートメーション化(自動化)したものです。

専門用語も含む為、理解しづらい方もいらっしゃると思いますので、さらに簡単に表すと、「企業が行う顧客開拓というプロセスを仕組化して自動化すること」です。

従来は、メール施策や、Webコンテンツ分析などの施策を別々のキャンペーンとして企画・管理していましたが、このMA(マーケティングオートメーション)では、一つのソフトウェアにそれらを統合することができる為、マーケティングの業務を効率化することが可能になりました。

〜MA(マーケティングオートメーション)が必要とされるようになった背景〜

ではなぜ、MA(マーケティングオートメーション)が必要とされるようになったのでしょうか。

インターネットが普及する前の世の中では、TVや雑誌などのマスマーケティングが主流であり、またユーザー自身も、対象の商品やサービスについての情報を調べる手段が、今と比べ多くはない状況でした。その為、特にBtoB向けのプロダクトやサービスにおいては、そのプロダクトやサービスを扱う企業の営業マンの情報を良くも悪くも鵜呑みにするしかない状況でした。一方、今の世の中では、インターネット技術や通信速度の向上、スマートフォンの大幅な普及など、テクノロジーの発展を通して、ユーザー自身が、自身で情報を収集して、比較して、決断すると言うプロセスで意思決定がなされることが多くなりました。また、企業側もそうした世の中の状況や競合動向を鑑みて、自社のプロダクトやサービスにおける情報をインターネット上でのデジタルコンテンツとして提供せざるを得ない状況になりました。

こうした一連の変化は、確実にユーザーの意思決定における方法を変え、「企業が伝えたい情報を一方向的に伝えるというコミュニケーション」から、「ユーザー自身が、情報収集し、比較し、選択するという、より対等なコミュニケーションへ」と変化し、それが当たり前になりました。

実際、米国の調査によれば、BtoCでは81%の消費者が、買い物をする前にネットを活用して調査をしていますが、BtoBではその傾向がさらに顕著となり、92%の企業がプロダクトやサービスの購入前に、ネットで調査を行っていると言われているそうです。ユーザーは今後も情報を収集を通して、さらに賢く選択するようになることが予想される為、数年後にはインターネット上だけで、意思決定が完結する世界が訪れる可能性もあります。こうした変化を受け、企業は今までと比べて、比較にならない程、潜在顧客にアプローチすることが難しなっており、よりユーザー視点にたったコミュニケーションをとっていく必要があります。

長々と記載させて頂きましたが、このような理由から、企業は今後「よりユーザー視点にたった、非対面でもナーチャリング(顧客育成)していけるような施策を検討し、成約に繋げていくアクション」を実施していかなければなりませんし、MA(マーケティング・オートメーション)は、「よりユーザー視点にたった、非対面でもナーチャリング(顧客育成)していけるような施策を検討し、成約に繋げていくアクション」を実施していく為に必要なマーケティングツールとして、注目されるようになりました。

〜MA(マーケティングオートメーション)の機能と実現できることとは〜

次に、MA(マーケティングオートメーション)代表的な機能と実現できることについて以下でみていきましょう。

〜全体感〜

1.ページ制作

2.リード管理

3.リードジェネレーション

4.リードナーチャリング

5.リードクオリフィケーション

6.シナリオ設計

1.ページ制作

MA(マーケティングオートメーション)では、内部で、LP(ランディングページ)作成や、ポップアップ作成、登録フォーム作成などを簡単に実施することが可能です。

2.リード管理

MA(マーケティングオートメーション)では、リードのユーザーの、属性情報などの基本データや、Web行動履歴などのオンライン情報、リアル施策の結果や第3者機関データなどのオフライン情報を統合して、ユーザーごとの独自のデータベースを構築できます。これにより、ユーザー独自の情報をリアルタイムにトラッキングすることができ、より効果的な営業アプローチを行うことが可能となりました。

3.リードジェネレーション

MA(マーケティングオートメーション)では、リードを大量に獲得するための機能も備わっており、この機能を効果的に活用することで、氏名、住所、メールアドレスなどの個人情報を獲得することができ、受注の前工程となる母集団形成を行うことができます。

また、リードジェネレーションには、自社のプロダクトやサービスを認知していないユーザーへ認知を促す為の方法として、リスティング広告やSNS広告(Facebook広告、Instagram広告など)、コンテンツマーケティングなどが代表的な手法として挙げられます。

4.リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、リードジェネレーションで獲得した、個人情報有りのリード(ユーザー)に対して、最適なコンテンツを、最適なタイミングで最適なチャネルから提供することで、文字通り、顧客育成を行うプロセスです。

ここで重要になるのは、どれだけ事前に個人情報が取得できているかです。もちろんコンテンツマーケティングによりナーチャリングは行えますが、より効果的に実践しようとすると、リード(ユーザー)の個人情報として、氏名や住所、メールアドレスはもちろんのこと、会社名や役職、年齢、性別、年収情報、最近であればLINEアカウントなど、自社のプロダクトやサービスを受注していく為に必要な情報を多く取れることはかなり重要です。理由としては簡単で、企業が自社のプロダクトやサービスをリード(ユーザー)に理解してもらい、買ってもらう為には、顧客が日常で使うコミュニケーションチャネルや、情報収集が可能な時間帯、決裁権者かどうかなどの情報を抑えているか否かで、その後のアプローチの方法が全く異なるからです。また同様にコンテンツマーケティングを行う上での内容や粒度も変わってきます。

リードナーチャリングの主な手段としては、メール配信やリターゲティング広告、電話やセミナー(最近であればウェビナーなどオンラインセミナー)などが挙げられます。

5.リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションとは、前工程で収集した大量のリードの中から、後工程の営業担当が、効率よく受注できるように、リードを評価・選別するプロセスです。一般的には、リードの基本情報やオンライン情報(Webでの行動履歴など)、オフライン情報(展示会情報など)を統合的に分析し、スコアリングし、そのスコア値を元に、営業に渡すリードを確定させます。

また、後工程の営業プロセスにて活用されるSFA(セールスフォースオートメーション)との連携について、よく語られることがありますが、当然MA(マーケティングオートメーション)にはSFAと連携する機能もあります。MAとSFAが上手く機能し出すと、MAで収集した情報をSFAを活用した営業サイドで活かすことができ、また営業サイドで上がってきた情報を、MAに連携することにより、さらに質の高い分析や施策を実施することが可能になります。

6.シナリオ設計

MA(マーケティングオートメーション)には、予めルールとしてもシナリオを設定し、そのシナリオ通りに、スコアリングやリードの優先度決め、配信コンテンツの出し分けなど、企業が行うマーケティングの実動業務を自動化する機能もあります。

マーケティング担当は従来、それぞれのターゲットに応じて、施策を打ち、結果を収集し、それに応じて次の施策を考えていました。それがこのシナリオ設計の機能を活用することで、それらの業務をオートメーション化させ、マーケティング担当者の業務負荷を最小限に抑えることが可能となりました。

〜最後に〜

今回は、MA(マーケティングオートメーション)とは何か、必要とされる背景や機能・実現できることについて発信させて頂きましたが、いかがだったでしょうか。MA(マーケティングオートメーション)を活用し、SFAやCRMと連携させることで、マーケティング〜営業のプロセスを、より効果的かつ効率的に、実行していくことが可能になります。まずは御社の使用目的を明確にした上で、MA(マーケティングオートメーション)について、情報収集してみてはいかがでしょうか。

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