
〜カスタマージャーニーとは〜
カスタマージャーニーとは、「顧客が購買まで至るまでのプロセス」のことです。
顧客は、商品やサービスを購入する際に、認知・興味関心・比較検討などのプロセスを通して、実際に購入まで至ります。カスタマージャーニーマップとは、こうした顧客の購買までのプロセスごとにおける、行動や思考、感情の変化など、全体感を可視化させたものであり、プロセスごとの課題の特定や、最適なタッチポイントの確立、インサイトを見出すことが可能となります。
〜カスタマージャーニーマップが必要とされる理由〜
次にカスタマージャーニーマップが必要とされる理由について見ていきましょう。企業がマーケティング活動の中で、カスタマージャーニーマップを作成するメリットとしては、大きく2つあります。
1.顧客を網羅的に理解することで、顧客起点のマーケティング施策が打てる
2.ステークホルダー内で、共通認識や共通言語を持つことができる

1.顧客を網羅的に理解することで、顧客起点のマーケティング施策が打てる
マーケティング施策を検討する時、企業はあらゆる社外・社内のデータから情報を収集し、分析していきます。その際、「顧客視点で物事を考えること」はより重要なことで、顧客の購買プロセスから、タッチポイントを考えたり、どういうメッセージを発信していくべきかなどを検討していきます。
カスタマージャニーマップは、顧客の行動・思考・感情を網羅的にまとめているという点で、これらの施策などを検討していく為のベースの基本的な情報として活用され、重宝されます。企業は、顧客起点の情報にふれ、そこから発想していくことで、より顧客起点のマーケティング施策を打つことが可能となるのです。
2.ステークホルダー内で、共通認識や共通言語を持つことができる
もう一つの必要とされる理由は、ステークホルダー内で、共通認識を持つことができる点です。
前提として、顧客の課題は行動プロセスごとに異なっていますし、また企業のマーケティング担当も、プロセスごとや、打つべき施策単位で担当が分かれている場合がほとんどです。またこのような状況が、ステークホルダーごとの異なった状況理解をうむきっかけとなります。
こうした前提を踏まえ、企業としてマーケティング施策を検討する際に、共通認識を持つことが重要であることはいうまでもなく、カスタマージャーニーマップを作成することは、それらを回避することを可能とします。

〜カスタマージャーニーマップの作り方〜
ここからは、実際にカスタマージャーニーマップを作成する為の「5ステップ」について、ご紹介させて頂きます。
カスタマージャーニーマップを作成する為の「5ステップ」
1.ペルソナを設定する
2.購買プロセスの設定
3.タッチポイント・チャネルを洗い出す
4.思考・感情を想定する
5.課題の特定と施策の検討
1.ペルソナを設定する
まず初めに行うことが、ペルソナの設定です。
ペルソナとは、ターゲットとする顧客を分析し「特定の人物像(モデル)」のことです。企業はまず、自社の商品やサービスを使用してもらいたい、ターゲットを明確にし、ターゲットの基本情報(氏名、性別、年齢、居住地、職業、年収、家族構成など)やその他情報(ライフスタイル、趣味、思考性、価値観、ライフステージ、悩みや課題、休日の過ごし方など)などを、より具体的に想定していきます。このペルソナが具体的でないと、カスタマージャーニーもより鮮明にならない為、時間をかけてでも、細かく設定することをオススメします。(※複数のペルソナを設定する場合は、複数のカスタマージャーニーを用意することをオススメします)
2.購買プロセスの設定
購買プロセスの設定では、設定したペルソナが、どういうプロセスを辿って、商品やサービスの購買まで至るかを設定していきます。一般的には、認知、興味関心、情報収集、比較検討、購入、継続のフェーズとなりますが、目的によってこの限りではなく、より現実的なものに修正していくイメージとなります。

3.タッチポイント・チャネルを明確にする
顧客の購買プロセスを設定したら、次に顧客とのタッチポイントとチャネルを明確にしていきます。
タッチポイントとは、顧客と企業が出会う接点であり、具体的には、顧客が企業名やサービス、商品などを知ったり、検討したりするタイミングを示しています。
顧客は、TVCM、HP(ホームページ)、Web広告、SNS、タクシー広告、展示会などの様々なチャネルから接点をもち、そこから情報収集を行い、意思決定を行なっていきます。この際、顧客の購買プロセスのどこにいるによって、接触するチャネルも変わってくるという特徴があります。
企業はこうした顧客接点(タッチポイント)を見える化し、主導的に顧客の購買プロセスに関与していくにはどうすべきかという視点で、タッチポイントの持ち方やチャネルを選定していく必要性があります。
4.思考・感情を想定する
顧客の購買プロセス、タッチポイントとチャネルを設定したら、次はプロセスごとの顧客の思考・感情の変化について見ていきます。
顧客は購買プロセスの中で、どういう情報にどのように触れた結果、どう考え、どういう感情になるのかを明確にしていきます。
例えば、TVCMを通して、自分にとって価値のありそうな商品やサービスを見たとき、顧客は、さらに知りたいと考え、また欲しいかもしれないという感情になり、企業のWebサイトなどを検索して、情報収集を行なっていきます。
企業はこうした顧客の購買プロセスごとに発生する、思考や感情の起伏について、想定し、打ち手を考える必要があるのです。
5.課題の特定と施策の検討
顧客の購買プロセス、タッチポイントとチャネルの設定、思考・感情の想定を行なったので、最後に、課題の特定と施策の検討について見ていきましょう。
ここでは、上記のステップで理解した、「顧客購買プロセス」「タッチポイント・チャネル」「思考・感情変化」を活用して、総合的に判断し、課題と打ち手の特定を行なっていきます。
具体的な方法としては、現状の顧客の購買プロセスにごとに、タッチポイントやチャネルは最適かどうか、また顧客の思考や感情の変化に応じた打ち手は取れているのか、またto be像(あるべき姿)としては、こういう思考や感情になってもらうように、コミュニケーションをとっていった方がいいのではないかなど、網羅的・総合的に分析していき、カスタマージャーニーマップを完成させていきます。

〜最後に〜
カスタマージャーニーマップについて、理解して頂けたでしょうか。本日は、カスタマージャーニーマップとは何か、目的や作り方について発信させて頂きした。マーケティング施策を検討する際、急がば回れの精神で、まずは顧客に思いっきり向き合い、そこからの示唆を通して、最適な施策をねっていくことが重要です。是非、御社でも取り組んでみてはいかがでしょうか。
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